創業のきっかけ
一般企業で数十年精力的に仕事をしておりましたが、いずれは薬剤師の資格を活かせる職業で起業したいと考えておりました。
転職するには体力やメンタル面を考えると40歳までには、方向性を決めておかないと『マズイ』と決めていました。ただ、数十年も勤めていた会社を退職する決断もなかなか出来なかったのは本音の部分でありました。
しかし、薬剤師を取り巻く環境が一変する出来事が起こりました。それは、薬科大学の6年制が始まったのが転職を決めたきっかけのひとつでもあります。
私の妻も薬剤師で同じ会社で勤務おり、お互いに調剤業務に従事していませんでした。
まずはいろいろな薬局の流れや、システム、リスクマネジメントなど今後自分たちに参考になる事を学ぼうとお互いに数店舗で新人薬剤師として必死に数年間を送ってきました。仕事を続けながら自分たちで毎週院内処方の医院を調べ現地調査に出向き、出店先の候補地を探すことも行いましたがなかなか場所は見つかりませんでした。
そんな時にインターネットで開業支援をみて、即数社に登録したところ自分たちの希望する内容と一致する紹介をいただけ、念願の薬局開局への一歩がふみだせました。
薬局名にこめた思い
風邪などで他の調剤薬局に行っても愛想のない薬剤師が黙々と業務を遂行しているといった感じを受けたことがあります。
自分たちの薬局は、患者様の要望にお答えできるようにと、皆様に尽くす薬局、また、春に成長して延びていくつくしをイメージして『つくし薬局』と名付けました。
独立してよかったこと
独立してよかった事、まずは自分の考えで経営していけることが第一だと思います。
患者様の要望や、医師からの依頼にタイムラグなしにすぐにお答えできたときに喜んで頂けて自分で経営している強みだなと実感しました。
様々な勉強会(医師主体もしくは薬剤師会主体など)には積極的に参加し、その情報を患者様に提供していく、情報発信の拠点となるべく努力をしていくのは自営業である強みであり非常に充実した毎日を送っております。
開局してまだ日が浅いですが、スタッフと一緒により良いサービスが提供できるように徐々に改善しているところです。
薬局内の掲示物および待合室の模様替えなど患者さまに喜んでもらえる空間を、トップダウンの指示を待たなくても即断即決で演出が出来るのは、醍醐味であり日常のちょっとした変化を楽しむことが多くなりましたね。もうひとつは、自分自身で考え抜いた組織体制を敷けることが良いですね。雇われていたときは経営者と雇用者間に溝があり改善などがなかなか出来ないそんな薬局を多く見てきました、薬局の経営方針、初心をスタッフ一同で共有して、悪い点はきちんと話し合える。そして従業員と共に理想に近い職場を作り上げていけるのも独立してよかった事のひとつと思っています。
今後の目標
処方元のDrも開業1年、これからも共に成長していければと思っています。
妻も薬剤師をしているので今後も数店舗を出店したいと考えており、その為には、薬剤師や事務職員の新しい人材の教育も進めていきたいと思っています。
また、個人での経営の場合は人材の確保や、情報交換の機会が少なくなってしまうために同じ志をもった経営者同士の連携を進めていきたいと思っています
これから独立を目指そうという人にアドバイス
私もそうでしたが、はじめの一歩は勇気のいる事でした。雇われていれば、ある程度の給料は保証されていますが、経営ともなるとその保障はなくなります。すべての事を自分ひとりでこなさなければなりません。
すべての事に対して即決定して行動を起こしていかなければなりません、勤務薬剤師の頃のように与えられた事をやっていれば良いというわけにはいきませんが、仕事としてのやりがいや達成感などは比べ物にはならないと思います。
目標を持って必ずそれを達成するという強い気持ちを持ち続ければ道は開けると思います。
現在は二号店出店の計画もあり計画を進めています、私の場合は個人で出店先を探すのは無理だったので開業支援の業者の方にお願いしました。いろいろな偶然が重なって今の開業支援の方、処方元のDrやまた連携をしていこうと声をかけてくれている同業の社長と知り合えた事で展開も変わってきたと思います。これから開局を目指している人も、このような人の縁も大切にしていってもらいたいと思います。